セミナー集客はセミナーの定義を知れば改善される

「もういい加減にしてください!」

携帯電話の通話ボタンを押した瞬間、通話相手の女性からそんな怒りの言葉が飛んできた。セミナー施設の受付をしているその女性は、僕の何度も繰り返す迷惑行為にいよいよ堪忍袋の緒が切れたのだ。

その女性とは、何度か顔を合わせたことがある。少し年配のその女性は、いつも穏やかで、やさしく丁寧にセミナー施設の受付をしてくれていた。その振る舞いから、彼女が怒る様子はとても想像ができない。しかし、そんな彼女を怒らせてしまったのだ。それだけ、僕のした行為は、目に余るものだったのだろう。僕は。ただただ謝ることしかできず、そんな現実を引き起こしてしまった不甲斐なさに情けなくなったのだった。

僕が彼女を怒らせた原因。それは……

セミナー会場のキャンセルだ。

都合がありセミナー会場をキャンセルする。それは、当然にすることだし、一度や二度であれば、そんなに怒らせることも無かったろう。しかし、僕は、何度も何度もそれを繰り返した。その施設というのは、Web上で会議室の予約がとれる。代金は当日払い。そして、2日前まではキャンセル料がかからずキャンセルができた。僕は、ここに甘えてしまった。セミナーに集客できるかどうかも分からないのに、

「できなかったらキャンセルできればいいや。どうせキャンセル料かからないし」

という甘えた気持ちで、複数日程の会場を予約。その全てに集客ができず、全ての会場をキャンセル。そうしたことを何度も繰り返した。確かにルールは破っていない。しかし、施設からしたらいい迷惑。他に借りたい人もいる中、平然とキャンセル。施設を借りたい人、そして、施設の売り上げをあげる機会を奪ってしまっていたのだ。それを無自覚に何度もしていたため、受付の女性は、怒りの電話をよこしたのだ。

 

それから僕は、セミナーにちゃんと人を集められるよう集客について、セミナービジネスについて勉強し直した。16年前の僕は、セミナー講師として起業したものの、全然セミナー集客ができない状態だった。はじめのうちは良かった。当時通っていたコーチングスクールの友人たちが参加してくれたから。だけどすぐに誰も来なくなった。いわゆるリスト枯れが起きたのだ。何とか集客をしようと、色んなセミナーを企画をして、告知したが誰も集まらない。そんな状態だった。だから、この出来事をきっかけに、ちゃんとセミナーに集客ができ、生計が立てられるように、勉強し直した。

その結果、分かったことは、

そもそもセミナーが何か?

ということだ。僕は、セミナー講師なのに、セミナーがそもそも何かすら理解せず、ただ何となく見よう見まねでやっていた。カレーライスがどういうものかを知らなければ、カレーライスは作れないように、セミナーが何かを知らなければ、セミナーを作ることはできない。セミナー講師として起業をするのであれば、ここは絶対外してはいけなかったのだ。実際に、セミナーの理解が進んでからというもの、セミナーには必ず人が参加するようになった。昔のように、参加者がゼロなんてことはありえない。必ずセミナーに人が集まるし、高額商品が売れるようになった。それも、

そもそもセミナーとは何か?

を知ったからだ。

 

そもそもセミナーとは何か?

教えるところ。学ぶところ。成長する所。導くところ。人によって答えは様々で、そのどれもが大きく外れていない。しかし、ドンピシャの答えではない。確かにそれらの要素は含まれるが、不十分だ。もし、セミナーを過不足なく説明するのであれば、僕はこのように答える。

セミナーとは、参加者の理想と現実のギャップを埋める体験の場である。

僕はこれまで16年間にわたり、国内外合わせて300以上のセミナーに関わってきた。日本の著名人だけでなく、アンソニー・ロビンズをはじめとした世界トップスピーカーたちと一緒にセミナーを作り、3万人以上の参加者のサポートをしてきた経験から導き出した『セミナーとは何か?』 の答えがこれだ。人は、なんと言うか分からない。しかし、こうしてセミナーを定義してから、僕はセミナー講師としてお金を稼ぐことができ、起業したと言えるようになった。

これまで多くのセミナー講師になりたい人に出会ってきた。講師として起業したい人にも出会ってきた。しかし、そのほとんどが、セミナーを見よう見まねで作り、集客ができずに終わってしまう。セミナー作りは、スキル。セミナーとは、参加者の理想と現実のギャップを埋める体験の場である。この定義に沿えば、集客もセールスもそれほど難しいことではない。もしこれから、セミナー講師とし起業したいのであれば、セミナーの定義はシッカリと頭に叩き込んで、定義に沿って進めていくことをおススメする。

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